
先週末の授業。
宝生流能楽師・松田若子さんの「能楽おケイコ講座」の冒頭。
ふつうの公演じゃありえない至近距離で
能を舞っていただきました。演目は
「鞍馬天狗」。あの牛若丸こと源義経と
鞍馬天狗が出会う名シーンです。
小柄な松田さんのお体の
どこから声が出ているだろうと思うくらいお腹に響く太い歌声。
能のイメージからは
想像がつかないさっそうとした身のこなし。息をつくのも忘れるほど
迫力の演技でした。感動の余韻もひかないうちに
対談スタート。
さっそく授業タイトルの
「どうして能って無表情で踊るんですか?」を尋ねてみました。
聞けば本来、
能は面(おもて)をつけて舞う芸能だそうですね。
かつて能は大衆文化でした。
舞台から遠い観客でも見えるように
目鼻立ちがわかりやすい面をつけたんですね。だからそもそも能は
顔の表情で演技する芸ではないんです。能は、面で表情をつくるんです。

面はよくできた道具で
すこし上を向くと晴れやかな表情になりすこしうつむくと悲しみも表現できるんだとか。
面にも年齢があって
女性の面は高齢になるにつれて髪が乱れてくるそうですよ。
今回見せていただいたのは
面をつけない略式の上演形式で「仕舞」というそうです。
仕舞のときは演者は
無表情を徹するんです。
なるほど勉強になりました。
ほかにも
「能楽」という名前を世間に広めたのは前田のお殿様だったというお話や
そのお殿様が自分で演じたいがために
家来一同に能楽をやらせて広めた(らしい)ことなど金沢で能楽が盛んになった背景も
教わりました。そして授業はいよいよ
謡(うたい)のお稽古体験へ。謡の本を見てア然。

現代でいう楽譜と同じはずなのに
音符がないんですね。じつは文字の右側にある
「-」のような印が音符の代わり。(線が二重三重になってたり、
折れ曲がってたりで違いを表すんです)
どこかで見たことがあると思ったら
お経の本と同じ形式なんですね。松田さんのあとに復唱してレッスンしました。

さいしょはみなさん戸惑ってましたが
徐々に慣れてくると、先生が声をかけなくてもつづくように!
実際に歌ってみてわかったんですが
大きな声を出すと、独特の節がとても気持ちがいいんですね。
次は振り付けのレッスン。
扇子を持参した
若い人が率先して挑戦してくれました。
いままで能楽って
観るものだと思ってましたがじつは自分でやって楽しむものなんだと
実感できました。
授業の最後。
「金沢の人にもっと能楽に興味をもってほしい」と松田さんはおっしゃってましたが
本当にそうだと思います。

わたしたちは
世界無形文化遺産にも選ばれた伝統芸能にふれるチャンスが
日常的にあるんですからね。
6月の百万石まつりの夜にあるという
「薪能(たきぎのう)」と翌日の松田さんが主役を務める
「金沢定例能」は絶対見に行きたいです。
薪能は野外なので
能楽の原風景が愉しめるそうですよ。そして朗報。
松田さんの能のレッスンが近日部活として帰ってくるかもしれません!
先生もとても乗り気です!ご期待ください。

松田先生、
週末の授業は本当に楽しいお話とレッスン、どうもありがとうございました!







