タテマチ大学がcafeと合体して食べられる大学になります。2011年9月1日(木)リニューアル開校!新教室は築90年をこえる町家の2階です。 新教室になるフルオブビーンズってどこ?

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九谷焼でバナナをつくった理由とは? 2009-08-04 21:01:37

コレ、何でしょう?

バナナ803.jpg

どっからどう見てもバナナですが、
ただのバナナじゃないんです。
じつは、九谷焼なんです。


8月2日の日曜日の授業には
この「白いバナナ」などの新しい九谷焼作品を
世に送り出している作家、
上出 惠悟(かみで けいご)さんが登場してくれました。

タテちょいアップ.jpg

現代美術界でも有名な作家さんの登場に、教室は超満員。
090803.jpg


「先生、なんでバナナを九谷焼でつくったの?」


いきなり核心に迫ろうと意気込んだら
肩すかしを喰らいました。


授業の最初は抜き打ちテスト(笑)

テスト.jpg

先生に悪気はなく、
九谷焼が石川県のみなさんにどれだけ
知っていただけているかを
確認したかったという上出さん。


内容は、九谷焼にまつわる基礎知識。
(といっても、わたしは100点満点中20点でしたが…)


九谷焼の顔料には日本茶が使われていることや
「古九谷」という昔の九谷焼は
「古伊万里」などよりもずっと貴重であることを
教わりました。


九谷焼についてちょっとわかったところで、本題。
「なんで九谷焼でバナナをつくったんですか?」

トーク横.jpg

聞けば、上出さんのご実家は
明治12年創業の九谷焼窯元「上出長右衛門窯」。


あるとき工房に置いてある九谷焼を見て、
「九谷焼に釉薬を塗らないで焼いたらどうなるんだろう?」
という疑問をもったそうです。
(※釉薬は磁器のツヤを出すための薬品)


実際にやってみたら、
とてもマットな質感になった。


それを見た瞬間、上出さんは
「バナナに似ているな」と思ったそうです。


これが「白いバナナ」をつくった1つのきっかけ。


以降、上出さんの想像力は
どんどんふくらみます。

牛乳びん803.jpg

これは、お酒のとっくりを見ていたら
「牛乳びんみたいだな」
と思ったのがきっかけでできた作品。
(作品の箱も、牛乳びんを入れる箱の形になってます↑)


こちらは実物をもってきてくれました↓

ちゅうえもん作品.jpg
走る急須や、直径3cmぐらいの湯飲みやお皿。


上出さんいわく
このミニチュア九谷焼の作者は
上出長右衛門窯の工房の屋根裏に住む
ネズミの「ちゅう右衛門」さん。


明治の創業期から
窯に住みついて、現在御年130歳。


針のように細いしっぽで
夜な夜な絵付けをしているそうです。

ちゅうえもんシルエット.jpg

「おもしろい設定ですね」と
進行役があいづちを打ったところ、


「設定じゃないですよ、事実ですから!」


と真剣に怒られちゃいました(笑)


ほかにも

自転車803.jpg

スポーツブランドPUMAとコラボした九谷焼自転車など
たくさんの作品を紹介してもらいました。
(この自転車はなんと竪町のお店に置いてあるんです!)


後半は質問コーナー。

質問803.jpg

内容はやはり
「どうしてこんな作品を思いつくことができるのか?」
というニュアンスの質問が多かったです。


お話をうかがってわたしが思ったのは
上出さんは、じぶんの感性に正直に生きているんだなぁ
ということ。


たとえば「白いバナナ」の発想が浮かんでも
ふつう九谷焼の世界にいる職人さんだったら
これまでの伝統やしきたりを気にして
創作を断念してしまいがち。


そもそも“九谷焼はこうだ”という既成概念にしばられて
バナナをつくろうなんて思いつかないかもしれない。


一方、上出さんは
「こうやったらおもしろそう」という気持ちに正直だから、
常識にとらわれないで
自由な創作ができるんじゃないでしょうか。


「ぼくは九谷焼のことをまだまだ知らない
 シロウトだからつくれる」
という上出さんの言葉はただの謙遜ではないと思います。

上出さん横803.jpg

ところで、上出さんの正直な性格は
授業のトークにもあらわれていました。


「ぼくはみなさんになにかを教えられる
 立派な人間じゃありませんから」
と何度も恐縮されたり。ときには頭を下げられたり。


「ぼくは自信がないと声が小さくなります」
と言って、


九谷焼の説明のくだりで
本当に声が小さくなったときは
驚いてしまいました(笑)


作品でもトークでも人柄でも
ほんとうに楽しませいただきました。

賞品贈呈.jpg
↑最後に抜き打ちテストの最高得点者に
「ちゅう右衛門」さんの作品をプレゼントも。


上出先生、
どうもありがとうございました!

作品観覧.jpg
上出長右衛門窯の作品はコチラからご覧になれます。